強制契約終了した派遣さんが、玄関に鬼の形相で。

たーこいずです。

 

簿記子の思い出の続き。

 

簿記子と派遣元の担当者に、契約解除したいと話をした支店長と総務部長。

 

契約期間分の給与は払うから、すぐ辞めてほしいと言った。

 

しかし、簿記子が必死に食い下がり、計画は失敗した。

 

簿記子は、やる気のない態度は改めるから、続けさせてほしいと訴えたのだ。

 

態度が悪すぎるというだけで、勤怠も問題なかったし、即辞めさせるには、

 

理由が弱かった感が否めない。それは私も分かった。しかし。

 

私が、上司二人を唆して簿記子を追い出そうとしたことなど、誰から見ても

 

まるわかりなのだ。このまま引継ぎを続けるなんて無理過ぎる。

 

その日、簿記子を定時で帰し、総務部長、支店長も帰った。

 

腐った性格の支店側の部長も帰り、私は事務所に一人になった。

 

私は考えた。夜遅くまで考え、事務所の受話器を取った。

 

支店長の業務用の携帯に電話した。

 

このままでは引継ぎ出来ない。中途半端なまま私は去る事になる、

 

こう言ったのだが。

 

支店長には、やっぱり即日解雇にするには、よほどの理由が無いと、

 

無理だろうと言われてしまった。

 

しかし私はあきらめなかった。

 

簿記子が、｢この会社はおかしい｣と批判をずっとし続けていたことと、

 

支店長が他県から、苦労してスカウトして来たばかりの技術者に、

 

｢入ったばかりで分からないでしょうけど、あなたも辞めた方が良いですよ、

 

一緒に辞めましょうよ｣

 

と言っていた事を告げ口した。それまで、誰にも話していなかったのだが。

 

私は、来たばかりの簿記子が、そういう発言をするのを不審に思っていたが、

 

その時は、｢ああ、簿記子は派遣された事を後悔しているんだな｣

 

と感じたので、今日の話し合いで必死に辞めたくないと訴えた事で、

 

簿記子の目的が分らず、心底不気味になってしまったのだ。

 

支店長は、その話を聞いて、想像以上に怒り狂った。

 

自分が苦労して引っ張ってきたばかりの人材に、来たばかりの派遣が、

 

何故、そんな意味不明な唆しをするのか、と。

 

翌日、支店長は、性格腐ってる方の部長に、簿記子を外に出すように

 

命じた。派遣会社を迎えに来させるから、それまでの時間稼ぎに、

 

社員寮の掃除でもさせておけ、事務所にはこれ以上置くな、と。

 

そして、派遣会社の担当に簿記子を迎えに来させ、外で話をして、

 

事務所には立ち寄らずに、そのまま解雇、という運びになった。

 

後味が悪いが仕方がない。私は黙々と仕事をこなした。

 

バッグは簿記子が持って出たので、私物は室内履きぐらいだ。と思っていた。

 

後で派遣元に取りに来させようと、靴箱の上に、袋に入れて置いた。

 

夜、乱暴に玄関のドアが開いた。鬼の形相の簿記子がいた。(一旦切ります。)